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2016年2月

雑誌『歴史群像』2015年8月号(No.132)読了

「雑誌『歴史群像』2015年8月号(No.132)」を読みました。

この号の特集は以下の通り。
第1特集「ブーゲンビル島沖航空戦」
第2特集「東部ニューギニア攻防戦」
第3特集「失われた戦争終結への道」

この号は去年、つまり戦後70年の年の8月号ということで、「戦争の潮目はこの時変わった」との視点で、第1特集で日本海軍、第2特集で日本陸軍、第3特集で大本営において、戦局が暗転していく過程を描きます。「東部ニューギニア攻防戦」では、大した決戦も無いままジリジリと力負けしていきます。「失われた戦争終結への道」ではミッドウェー海戦以降は場当たり的な対応を続けて、そもそもの目的であった中国の屈服も忘れて太平洋戦線にのめり込み、何も成し遂げられないまま全方面で身動きが取れなくなっていきます。失敗するときというのはこういうものではありますが、どこかで敗勢に気付いて諦める決断が必要だったのですが、天皇の下に政府と陸軍と海軍が並立する体制では誰も決断できないのも道理です。

他に面白かったのは「応永の外寇」ですね。これは1419年に朝鮮王朝が対馬に攻め寄せた事件です。私はこの出来事自体は知っていましたが、詳細は全く知りませんでしたので、非常に興味深い記事でした。日本側にも朝鮮側にも複雑な事情があり、結果として中途半端な軍事衝突として終わりました。この事件における一番の見どころは対馬宗氏の立ち回りですね。地政学的に特殊な位置にある対馬の島主としての宗氏のふるまいは、日本、朝鮮の中央に比較してはるかに現実的で、賢明に見えます。

「ソ連邦崩壊」も面白い記事でした。もう若い人にとってソ連は歴史上の存在と化しているようですが、私の記憶では東欧の民主化やバルト3国の独立などの大事件のあと、ロシアの存在が大きくなっていく中でいつの間にか「ソ連」は無くなっていたような印象でした。その内実も、あれから25年以上を経て、ここまで解明されたのですね。

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雑誌『歴史群像』2015年6月号(No.131)読了

「雑誌『歴史群像』2015年6月号(No.131)」を読みました。

この号の特集は以下の通り。
第1特集「フランス電撃戦」
第2特集「ミンドロ島沖海戦」
第3特集「戦士たちの百年戦争」

「フランス電撃戦」は、第二次大戦での西方電撃戦のドイツの勝利に関して、戦術/兵器とは異なる視点から見たドイツの勝因を明らかにしようという記事。面白いのは、ドイツが英仏による経済封鎖で戦略物資に窮していたところから、「前方への逃走」を試みたのだ、とする主張。これは真珠湾を襲った日本と同じ開戦動機です。ドイツも日本と通じる事情を抱えていたということです。「ミンドロ島沖海戦」は日本海軍の名将と評価される木村昌福少将(最終階級は中将)の話。木村は海軍兵学校での成績が悪く、その後の海軍内での経歴もとてもエリートと呼べるものではありませんでしたが、しかし実戦の指揮においては類まれな能力を発揮する、「現場の人」でした。非常に「日本人好き」のする人物ですね。木村昌福はあまり世間に知られた人物ではありませんが、いずれ小説や映画のヒット作に恵まれれば人気を博する可能性はあるでしょう。

「パウル・カレルの2つの顔」は全く知らなかったので驚きの記事でした。パウル・カレルはナチ関係者だったのですね。そしてそれは、地元ドイツではすでに常識となっているもののようです。「アメリカとベトナム戦争」も面白い記事でした。著者の言う通り、アメリカ軍は世界最強ではあるものの、アメリカは軍事力で何でもできると勘違いしているものと、私も思います。ベトナムでもアフガニスタンでもイラクでも失敗し続けて、それでもなお「勘違い」を改められないのはなぜか、そちらの考察も、突き詰めてみれば面白そうです。

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