雑誌『歴史群像』2012年2月号(No.111)読了
「雑誌『歴史群像』2012年2月号(No.111)」を読みました。
この号の特集は以下の通り。
第1特集「遥かなるポートモレスビー」
第2特集「平清盛の野望」
第3特集「旅順攻囲戦レポート」
「遥かなるポートモレスビー」は、やはり日本陸軍はヒドい組織だったという話。米豪遮断作戦について陸海軍間ではさんざん渋っていた陸軍が、天皇から「で、どうするのか」と聞かれると即答で「やります」って、おいおい・・・。さらに、オーエン・スタンレー越えのポートモレスビー攻略作戦についての実現可否を検討し、困難だという結論を得ていたにも関わらず、検討担当者が「机上の計算に基づく結論であったので(中略)これを強く主張する立場にはなかった」とのことで作戦実施の決定に全く異を唱えず。例え机上の検討でも不安な結果が出ているのなら、実証実験などで論拠を補強して報告すべきだと思うのですが・・・。
他にも玉虫色の妥協や、一中佐の独断など、組織の弊害や組織運営の稚拙さの見本市のような惨状です。今でも日本の多くの組織で見られる問題であり、数十年を経て日本人は何も学んでいないのだと思うと、絶望的にすらなります。
「平清盛の野望」はかなり内容に不備があるように思えます。源氏が大規模領主を家人とし、平氏は小規模領主を家人としている、という分析は良いとして、その結果として源氏は棟梁に権力が集中し、平氏は緩やかな領主連合だとしています。うーん、普通は逆じゃないでしょうか?大規模領主が家人であれば相対的に棟梁と家人の実力差が小さく、棟梁は家人の意向を無視できなくなるはずです。逆に小規模領主が家人であれば相対的に棟梁と家人の実力差が大きくなり、棟梁は実力で家人を抑えることができます。「分割して統治せよ」はローマ時代以来の統治の基本であり、歴史で飯を食う身なら当然知っておくべきことです。著者の見識がやや疑われます。
あとは「ウラン作戦」が面白かったですね。ソ連軍の将帥としてはジューコフが有名ですが、本記事ではこのジューコフ以上にヴァシレフスキーの評価が高く、ちょっとヴァシレフスキーを見直しました。
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