« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

維新創世 坂本龍馬読了

新・歴史群像シリーズの第4号は坂本龍馬。
今年の大河ドラマは坂本龍馬ですが、この第4号は2006年の発刊で
タイアップではありません。大河ドラマタイアップとしては第20号「坂本
龍馬と海援隊」の方でしょう。

私は幕末は詳しくないので、一つ一つの記事を読みながら「ほぉー」と
感心していました。批判的に読むほどの知識がないもので。
戦国モノに比べると当然ですが軍事面の記事が少ないというか無い
ですね。龍馬自身、戊申戦争の前に亡くなっているので、軍事面に
ついては書くことがないということでしょう。
また、これは龍馬の生涯と関わることですが、記事にされている時代が
非常に狭く、そのため詳細です。龍馬の人生は33年ですが、その中
でも政治的に意味がある活躍をしたのはわずかに6~7年程度です。
その程度の活動で歴史に名を残したのもすごいですが、例えば寺田屋
事件では龍馬は幕吏に襲われて京都薩摩藩邸に逃げ込むのですけど、
そのときの逃走経路がどうであったのか、なんてことが論じられています。
戦国時代が100年に及ぶのに比べて、幕末という時代はせいぜい15年
前後くらいしかないわけで、また戦国に比べて新しい時代だから史料も
豊富にあることが想定されますので、話題が枝葉末節にまで及ぶのは
当然のことかもしれません。
あとは、龍馬の受容史の特集もあります。龍馬という人は亡くなってから
わりと早い時期から人気者だったのですね。海軍の軍神に祭り上げられた
のはご愛敬。現代の人気は司馬遼太郎以来のものですね。
ちょっと幕末という時代に関してもいろいろ読みたくなってきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ロシアはなぜ敗れたか読了

日露戦争をイギリスの軍人が評価した著作です。
訳者は以前に紹介した「日露戦争全史」と同じく妹尾作太男氏。

軍人による評価であるだけに、戦略、戦術に対する言及はかなりの
レベルに達しています。非常に詳細です。
ただ、これは「日露戦争全史」のときにも感じたことなので西欧の
軍事評論に共通するのかもしれませんけれども(上述の通り訳者は
同じであるけれども、著者は別)、敗れたロシア側の将校に対して
その個人を非難するような記述が多いのですよね。性格が悪い、
とか準備を怠けた、とか。戦争の勝敗というのは、現場レベルの
将校の判断の一つ一つによるというよりも、お互いの国力や政戦略
など、もっと大きな枠組みで定まるものです。ロシアは確かに敗れ
ましたけれども、それはロシア軍の個人を非難する理由にはなりません。
逆を言えば、日本側の将校の判断も、いつも適切だったとは
限りません。特に旅順攻略戦における乃木希典の指揮はもっと非難
されてしかるべきです。最終的に旅順は陥落して日本の勝利に終わって
いますが、勝利したからといって錯誤が無かったとは言えないという
ことです。
軍人の著作であるだけに戦略、戦術の記述が豊富だと述べましたが、
もっと大きな視点としての当時の両国の国力や、特にロシアの国内事情
などへの考察はもっと深くてもよいのではないかと思いました。
ロシアは国力については当時の日本の数倍あり、順当にいけば負ける
はずがありませんでしたが、ロシアの国内事情があればこそ日本が
つけいる隙があったのは明白です。そういった考察がやや欠けるきらい
があります。
戦術面の記述が詳細であるため、特に日本第1軍司令官黒木為禎の
指揮の見事さは強調されています。第1軍は鴨緑江渡河作戦にはじまり
遼陽や奉天で勇猛果敢な戦いを見せ、日本の戦局を有利に導きました。
このあたりに関しては、自分が日本人だからか、読んでいて爽快感を
覚えます。
ハードカバーで¥3500もする上に、おそらく中古品でしか手に入らない
と思われる本なのでおすすめするには気が引けますが、日露戦争を
理解するためには役立つ本だと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

信長・秀吉・家康読了

新・歴史群像シリーズ第3号「信長・秀吉・家康」を読みました。
戦国時代好きなら誰もが知っている3巨頭、その一人一人でも
十分一冊に値する3人をあえて一冊にまとめてあります。
内容はまさに戦国時代末期のダイジェスト版です。3人の事績や
家臣団が簡単に記されています。入門書としてはよいのでは
ないでしょうか。
ちなみに目次のところに明記されていますが、この本は戦国
セレクション「奮迅 織田信長」、「邁進 豊臣秀吉」および
赤本の第11号「徳川家康」を元に再構成したものだそうです。
新作記事もいくつか入っているようですけど、上記3冊を読んだ
人にはあまり必要がないかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »